「革靴」と聞くとどんな靴を思い浮かべますか??
革靴と言うと、黒いビジネスシューズを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、黒いビジネスシューズだからと言って『革』ではないこともありますし、スニーカーにも『革』が使われていることもあります。
では『革』ってどんな素材なのでしょうか??
そもそも靴の素材には何がある??
- 革
- 合成皮革
- キャンバス(布)
- 合成繊維 など
『皮』と『革』ってなにが違う?
動物からとった皮膚のことを『皮』と呼びます。『革』は、牛や豚などの『皮』を加工した素材のことをいいます。『皮』の状態だと腐ってしまうので、たんぱく質に「なめし」という加工をして腐らないようにしています。
この状態を『革』といいます。
「なめし」の加工までに時間がかかる場合は塩漬けして腐らないようにしています。たまに雨が降ったあとに靴が白くなってしまうことがありませんか?それはこの時の塩が浮き出てきたものもあるんです。
『革』の特徴ってどんなもの??
①丈夫で、時間が経つことで味がでる
布や合皮は傷がつくと、元に戻すのが難しかったりできないものが多いですが、革は多少の傷や乾燥なら油分を補うことで修復が可能です。また、長く履くうちに油分や光の影響で経年変化をおこすので、だんだんと味のある雰囲気に変化していきます。(革の種類によってはあまり変化のないものもあります)
②通気性がある
革の表面は一見、ビニールのようで通気性がなさそうに見えますが、革の組織はタンパク質の繊維がフェルトのように絡まっているので、実はかなり隙間があり通気性があります。通気性が高く、汗などの水分を吸収するけれど放出する機能もあります。(エナメルなど表面をコーティング加工した革の通気性は低くなります)
ただ、水分や油分が浸み込むとシミができてしまい、カビもはえやすくなってしまいます。
③キズがあったり、革の質が均一ではありません。
元々、生きた動物の皮なので、革の仕上げ方によって虫刺され、傷、シワが残っていることもあります。
人間の肌と同じように、動物同志でも肌のきれいさは異なります。また、背側か腹側かなど部位によってもキメの細かさや密度が異なります。
革を取るためだけに動物は殺される??
牛、豚、羊など広く流通する革は食肉の副産物であり、革を取る為だけに殺されているわけではありません。でも、命に感謝する「いただきます」という言葉があるように、動物の力を借りて私たちの足を守ってくれているのですから、ただ買って履くというだけではなく、ケアをしながら大切に履いて頂きたいなと思います。